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併せ鏡の北鮮とシリア

報道で既に御存知と思われるが、北鮮で何らかの政変の兆候が見られた。金正恩第一書記の後見人の一人と見られていた李英鎬(リヨンホ)軍総参謀長が解任された。

一方で国際社会の目は今、シリアに向けれられいる。シリアでは既に内戦状態と言って良く、アサド政権の国民への弾圧は熾烈を極めている。

この両国には共通点があると言える。
北鮮は、金日成主席、金正日総書記、そして金正恩第一書記と親子三代に渡る世襲国家であるが、シリアもまた、アサド親子による権力世襲の政権である。

そのシリアでは、昨年のアラブの春以来、民衆による武装蜂起が相次いでいる。それに対して二代目アサド大統領は、一貫して武力による弾圧を続けている。
連合国(いわゆる国連)の安全保障理事会では、米英を中心にシリアへの制裁案を決議しようとしたが、悉く北京政府とロシアの拒否権発動によって阻まれている。
シリアの内戦の激化には、国際政治も絡んだ複雑な事情がある。

シリアでは、国民の大多数をイスラム教スンニ派が占める。一方、アサド大統領は少数派のアラウィ派(シーア派の一部)であり、この少数派が多数派のスンニ派を弾圧している構図がある。
その為、同じシーア派の大国であるイランがアサド政権を支援し、一方でスンニ派の国であるサウジアラビアやカタールなどが、武器等を援助していると言われている。
こうした中東の構図から、イランと対立しサウジと良好な関係を持つアメリカなどがアサド政権批判を繰り返し、民主的な政権交代を望んでいる一方で、同じく独裁的な政権である北京政府やロシアが、民主主義の名を借りて内政干渉を繰り返すアメリカ等に対抗して、内政不干渉を名分にアサド政権側を支持し支援している、と云う構図が生まれている。
云わば、ペルシャ湾を挟んだスンニ派とシーア派の対立構図である中東情勢と、新たな冷戦構造である欧米諸国vs上海協力機構の対立と云う、現代の国際政治の対立構図が持ち込まれた、代理戦争の様相を呈しているのである。

五年前、NHKの単独インタビューに応じた二代目アサド大統領は、市場経済への移行や表現の自由の拡大等、様々な改革を目指したいと熱く語っていた。自分は旧世代の抵抗と戦う改革者として、若い世代からは支持されていると自信を見せていたのである。
しかし、今その若い世代の多くがアサド大統領にNOを突き付けており、その為、アサド大統領も事態がここまで悪化するとは想定外だった、こんな筈では無かった、と驚きを持っている事だろう。

シリアの内戦状態は、複雑な国際情勢が絡み合っている為、アサド大統領が自ら退陣を表明でもしない限り、簡単に収束する事は望み薄である。

そして、このシリア情勢は明日の北鮮であるかも知れない。

北鮮は15日に朝鮮労働党政治局会議を開き、金第一書記の最側近の一人とされていた李英鎬朝鮮人民軍総参謀長を政治局常務委員など全役職から解任。17日には、満鮮国境の守備を担当する第八軍団長、玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)大将を次帥に昇進させ、李英鎬の後任として総参謀長に昇進させた。
金正恩が李英鎬総参謀長の解任を決定した後、崔竜海(チェ・リョンヘ)総政治局長側が李英鎬総参謀長を物理的に隔離しようしたところ、李英鎬総参謀長の護衛兵が反発し、交戦が発生し兵士ら20人余りが死亡したとの情報も流れている。その際、李英鎬氏自身も、負傷したか死亡した可能性もあると見られている。
この粛清人事には、父金正日によって後見人とされていた旧世代の李英鎬を粛清する事で、新たな金正恩体制を固め様としている様子が垣間見られる。

今月6日に牡丹峰(モランボン)楽団の公演が平壌で行われ、その公演ではミッキーマウス等のディズニーキャラクターが登場し、また北鮮ではこれまでタブーとされてきたミニスカートや肩を出したドレスを着て電子チェロを演奏する北鮮版「少女時代」が登場した。また映画「ロッキー」のテーマ曲、「マイウェイ」も演奏された。
金正恩は、外国のモノでも良いものは採用するべきだとし、観覧した後、「住民に見せなさい」と指示し、この公演は11日晩にテレビで録画放送された。
北鮮が自ら「嬉しいい衝撃」と云う程以前には無かった姿である。
朝鮮新報は「世界に向かって世界と交感する"開かれた音楽政治"」とし「舞台の上で見せたのは"世界の中の朝鮮"」と規定した。金正恩時代に入って北朝鮮の変化が感知されている代表的な例だ。
これまでにも金正恩の衝撃療法的な動きは続いてきた。「住民の中に」と云うイメージを広める為の意図と分析される。

北鮮が強盛大国の門を開くとした今年4月には菓子5000万袋を生産し、金正恩は平壌市建設事業に2000万ドルを伝えたと云う。老朽した平壌市建築物の再建築、平壌-南浦高速道路(青年英雄高速道路)周辺の新都市建設も進められている。
対外経済政策にも変化の兆しが表れている。
5月に海外投資業務を遂行する合営投資委員会の対外広報用資料には、電気料金(0.033ユーロ/kWh)、首都税(0.065/立方メートル)、事務室購入費(平壌70-150ユーロ/平方メートル)、事務室賃貸料(1.38ユーロ/平方メートル)など具体的な金額が表記された。「投資条件を優待するから」と投資を要求した過去の姿と違う。
また過去には5枚ほどだった契約書を20枚を超えるほど詳しく作成している。ドイツ・マレーシア・ロシアなど30カ国・38都市に貿易代表部を新設し、投資誘致に熱を上げている。(朝鮮総連機関紙「朝鮮新報」より)

こうした金正恩の改革路線が、北鮮の開放路線に繋がる可能性もあるとして、期待感を持つ者も多い。
しかし、開放路線が進み海外の情報が流入すると、これまで隠して来た国内の矛盾が一気に国民の目に曝される事となり、シリアのアサド大統領の現状の様に、金正恩体制の首を締める結果となりかねない。

北鮮全土で、シリアの様に国民による民主化圧力による暴動が多発し内戦状態となった場合、これに乗じて統一を図りたい韓国や、それを後押しするであろうアメリカに対して、北鮮に影響力を保持したい北京政権やロシアによる金王朝支援が行われれば、北鮮は泥沼の内戦状態に突入しかねない。
まさに、シリアの現状は明日の北鮮を映し出しているかも知れないのである。

半島の動揺は、即東アジア各地に影響を与える。我が国も決して例外ではないだろう。その時、拉致被害者の身の安全を含めた対応が、我が国に出来るだろうか?
中東問題を対岸の火事と傍観し、あらゆる利権にしがみつき変化を恐れ、拉致問題の解決を先送りにしてまで、暗に半島情勢の現状維持を容認している我が国には、先を見通した準備も戦略も用意ていないであろうし、有事に即応出来る能力もあるとは思えない。
甚だ以て心許無いと言わざるを得ない。
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