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ウクライナ情勢を読む

ウクライナで今月18日に反政府デモ隊と治安部隊が衝突し、3日間で77人が死亡した。
ヤヌコヴィッチ大統領と野党指導者らは21日、流血拡大を避けるため連合政権を発足させる事等で合意して事態の収束を図ったが、首都キエフではこの日朝も中心部の広場を数千人が占拠したままだった。
そして22日、ついに反政府デモ隊が大統領府を占拠し、首都キエフを掌握した。

ヤヌコヴィッチ大統領は、キエフを脱出。親ロシア派の多い東部の都市ハリコフへ逃亡した。
これを受けて、ウクライナ議会は大統領が権限を放棄したと見なし、独自に前倒し大統領選挙の日程を5月25日と決めた。また、その他多数の法案を可決。政権は機能不全に陥った。

イタルタス通信によると、同日釈放されたヤヌコヴィッチ大統領の政敵ティモシェンコ元首相は、5月25日の大統領選に出馬すると表明した。

AFP通信は22日、ヤヌコヴィッチ大統領が野党議員に辞意を伝えたと報じた。
しかし同日日夕、ヤヌコヴィッチ大統領は、ハリコフでテレビに出演し「これは国家クーデターであり、辞任の考えはない」と語り、辞意を否定した。
大統領はハリコフで与党議員らと、野党勢力の動きに対抗する構えを見せている。
また一部報道に拠れば、ヤヌコヴィッチ大統領が航空機で外国へ出国を図ったが、管制の妨害を受けて出国を断念したとされる。もしこの報道が事実ならば、ヤヌコヴィッチ大統領はロシアへの亡命を図り、ロシアの援助を受けて政権に返り咲こうと画策したと見るべきだろう。


ウクライナのヤヌコヴィッチ大統領は、昨年11月下旬に調印予定だったEU(ヨーロッパ連合)との連合協定を見送った。
エコノミスト紙は、ヤヌコヴィッチが突然ヨーロッパから距離を置くことを決めた理由を私利私欲に基づくものだと批判している。


ウクライナはこれまで、EU加盟を目指して盛んにEUとの接触交渉を続けていたが、ウクライナを自国の勢力圏内に止めておきたいロシアがこれに反発。ロシアは、旧ソヴィエト圏で作る関税同盟へのウクライナ加盟を強く働きかけている。
プーチン政権のロシアは経済援助と経済圧力の使い分けなどで、激しい圧力をウクライナ側にかけ、その結果、ウクライナのEUとの協定調印の調印見送りとなった。
これに対し、EU加盟を熱望する西部地方を中心にデモが激化。今回の事態に至った訳である。

ウクライナは過去何度も外国勢力に支配されてきた。18世紀にはロシア帝国に支配された。
1922年にはウクライナとロシアらがソヴィエト連邦を設立。しかしソヴィエトの政策や文化はモスクワが独占した。さらに、スターリンによるウクライナの農業の侵略政策で何百万人ものウクライナ人が餓死した。ウクライナ人はこの事を決して忘れてはいない。
共産主義が崩壊し、ロシアとウクライナが分離した後、状況が更に複雑化した。

特に、ウクライナを通る石油とガスのパイプラインの多くは、ロシアからヨーロッパに石油やガスを供給する為に使われている。
2,000年にプーチン大統領が政権を握った時にロシアとウクライナの緊張は更に高まった。
2,006年と2,009年に起きた負債を巡る対立で、ロシアはウクライナのガス・パイプラインを閉鎖した。
2,008年にはプーチンはウクライナに対して、ウクライナがNATOに加盟するなら核ミサイルを撃ち込むと脅迫している。

この様に、ヤヌコヴィッチ大統領がEUとの協定調印を見送ったのは、ウクライナがヨーロッパの一員になるなら制裁を加えるとロシアが脅している為だと言われているが、これには、もう1つの要因がある。それは経済問題である。
ロシアは、ウクライナがユーラシア連合(ECU=プーチンのロシアが提唱する旧ソヴィエト諸国で作る国家連合。現在はロシア、ベラルーシ、カザフスタンが加盟)に加盟したなら、ガスを低価格で供給すると言っている。今年ウクライナの債務は80億ドル以上にまで膨らむ。期限通りに債務を返済できるよう、ヤヌコヴィッチ大統領は安いエネルギー資源を探し回っていた可能性がある。

興味深い事だが、2,004年のウクライナのオレンジ革命もヤヌコヴィッチ大統領が原因だった。
ヤヌコヴィッチが大統領に就任する事になったのは不正選挙が行われたからだ、とウクライナ国民が怒り、ヤヌコヴィッチを大統領にさせまいとする市民によりオレンジ革命が起きたのである。
それでも、ウクライナの東部地域出身でロシア語を話すヤヌコヴィッチは、2,010年に大統領に返り咲いた。

穿った見方かも知れないが、今回のウクライナでの政争の背景には、世界のユダヤ系と反ユダヤ系(イスラムも)に分かれての権力争い(世界覇権争い)を行っている側面もあるのだろうか。
ヤヌコヴィッチ大統領が接近しようとしているロシアと、監禁されているユダヤ系のティモシェンコ元首相を支援するEUとの戦いがある様にも見える。
EUが、ユシチェンコ元大統領とオレンジ革命を共にしたティモシェンコ元首相を解放する様に要求したにも関わらず、ヤヌコヴィッチ大統領はその要求に応え様とはしなかった。
ヤヌコヴィッチ大統領は、ヨーロッパの一員になるよりも、ティモシェンコを刑務所に監禁し続ける方が重要と判断した様である。


何れにしても、事はそう一昼夜で終わる問題では無さそうである。

これまで、ロシアではソチオリンピックが行われていた為に、オリンピックの無事成功を切望するプーチン大統領は、今回のウクライナでの政争については敢えて、だんまりを決め込んできた感がある。
だが、大ロシア帝国復活を熱望するプーチンのロシアが、兄弟姉妹の様な関係のウクライナをそう簡単に手放そうとするとは考えられない。

ウクライナ議会がヤヌコビッチ大統領を解任し、服役中だった野党側のティモシェンコ元首相が釈放された事を受け、G20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)に出席中のアメリカのルー財務長官は、ロシアのシルアノフ財務相と会談し、ウクライナの民主主義と経済的安定の回復に向け、ロシアや関係各国と協調する用意がある事を明らかにした。
米財務省当局者は、「ルー長官は米国としてロシアなど各国と連携しながらウクライナを支援する用意があると強調した」と述べた。

欧州委員会のレーン副委員長(経済・通貨問題)は23日、ウクライナには新政権が発足し次第、大規模な金融支援を行う用意があると述べた。
レーン副委員長はG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)閉幕後の会見で「欧州の観点から云えば、欧州の価値に対するコミットメントを示していたウクライナの人々に対し、我々が明確な展望を示す事は重要だ。民主的原則に基づく政治的解決が確定し、構造・経済改革に真剣に取り組む新政権が発足すれば、ウクライナに大規模な金融支援を実施する用意がある」と述べた。
支援の規模については、現在検討中とし「このような歴史的出来事の試練に沿う必要がある」と述べた。

既にこの様に、欧米諸国とロシアとの間で綱引きが始まっている。

間も無く、ソチオリンピックが閉幕する。
オリンピック閉幕後のロシアが、どの様な行動を起こすのかが注目される。
ウクライナの運命は、ロシアの今後の動きいかんに因って大きく変動するだろう。


こうしたロシアの国際情勢での行動は、北方領土問題を抱える日露関係にも少なからず影響があるだろう。
我が国への対日圧力の為にロシアを取り込もうとしている北京政府や、朴槿恵大統領の韓国の動きとも絡んで、決して対岸の火事と無関心を決め込む情勢では無い事を、我が国側も自覚して、注意深く見守りつつ対応の準備を怠ってはならない。
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